唐夢穎の体はまっすぐ後ろに倒れ込み、手に持っていたグラスがカーペットに落ち、赤い液体がすぐにカーペットに染み込んでいった。
厲司承は冷ややかな目で見つめ、周りを見回してから窓を開けた。
今夜は風が強く、とても強かった。
窓を開けると、強風が一気に入り込み、カーテンとレースカーテンが高く舞い上がった。
厲司承は下を覗き込んだ。とても高い。
ここは最上階で、おおよそ40階以上はあるだろう。
ここから飛び降りるのは、あまりにも非現実的だ。
厲司承は少し考え込んでから、周りを確認し、最終的にトイレに隠れ、ズボンのボタンを外して、ボタン部分をめくると、その中に小さな隠し場所があった。
その隠し場所には、小さな密封袋が隠されていた。
袋の中には、サファイアの十字架のピアスが入っていた。