自分自身も……
彼と長くは一緒にいられないだろう。
これからいつか彼と別れることになるかもしれないと思うと、林澈の心は暗くなった。
自分がもう顧靖澤に依存し過ぎているような気がして、彼がいなくなった後、一人でどうやって生活を続けていけばいいのか、想像もできなかった。
首を振って、もう考えないようにした。どうせ、今は彼がそばにいるのだから。
顧靖澤は莫惠苓のことを思い出したので、それについて考え始めた。
実際、莫惠苓はそれほど賢くもなく、学歴も家族が買ったものに過ぎず、仕事の経験もなかった。ただ争いを好まず、言うことを聞く人だった。
言うことを聞くというか……存在感がないほどだった。
顧靖澤は一時的に、自分が彼女のために何をしたのか思い出せなかった。
しかし、やはり気を使わなくて済む存在ではあった。目の前のこの小娘とは違って、何かと問題を起こしたり、彼を怒らせたりする。
でも、こんなにダメな女の子に、なぜ彼は魅了されてしまったのか。これは自虐ではないのか。
彼は愛というものが何なのかわからなかった。以前は莫惠苓との関係が愛だと思っていたが、今考えてみると、そうでもなかった。それ以来、自分が愛というものを理解しているとは思えなくなった。
しかし、今は彼女に優しくしたいと思っている。彼女の純真さを守り、もう傷つけたくない。
過去に彼女がどんな傷を負ったとしても、これからは二度とそんな思いをさせたくない。
林澈は横を見て、臭豆腐の匂いを嗅ぎつけ、急いで顧靖澤を引っ張って言った。「へへ、あそこに臭豆腐があるよ。食べてみない?」
顧靖澤は眉をしかめた。その匂いを嗅ぐだけで十分だった。
「そんな臭いものは食べない」彼は林澈を引っ張って、「お前も食べちゃダメだ」
「臭いけど、美味しいんだよ」
顧靖澤は嫌悪感を示しながら一瞥した。林澈は口をとがらせた。食べたくないならしょうがない。ただ、顧靖澤を見ていると、彼が庶民的な一面を見せる姿を少し期待してしまう。いつも正統派の顧靖澤が、臭豆腐のようなものを食べる時、あの完璧な紳士的態度を保てるのか、それとも相変わらず高級そうに振る舞うのか、想像できなかった。
しかし、顧靖澤はそんな罠にはかからなかった。