第573章 俞閔閔の周りにいるのは大統領親衛兵

「もし本当に人が決まっているのに、あなたが裏工作をするなら、それこそ横取りと言えるわ」

林澈は深い眠りに落ちていて、本当に起きたくなかった。

しかし、この午後、俞閔閔が本当に彼女を訪ねてきた。

俞閔閔が来ると、門の警備員はすぐに通してくれたが、中に入ってから初めて林澈に確認を取りに行かせた。

林澈は目を覚まし、彼女が来たと聞いて急いで出て行った。

「本当に来たのね。ああ、私、寝てたのよ」

「昼間から寝てるなんて」

「この数日間、睡眠不足だったの。それに撮影現場のことを知らないでしょう。撮影が始まったら十分な睡眠なんて取れないから、帰ってきた数日間はとにかく寝るのよ」

俞閔閔は言った。「監督があなたの評価を見てないでしょう。あなた本当に良かったわ。撮影現場であなたを褒めない人はいないわ」

「そうでしょう？この私を見れば誰もが好きになるのよ」

「やめなさいよ。みんなはあなたがバカだから珍しがってるのよ。賢い人ばかり見てきて、こんなにバカな人を初めて見たから、珍しいものは貴重ってことね」

「うるさい」二人がふざけ合っているとき、林澈は何かを思い出したように振り返った。

莫惠苓がどこかへ行ってしまい、今はいなかった。

林澈は言った。「外で話しましょう」

俞閔閔は「ああ」と言って、「じゃあ、この団地を散歩しましょう。ここは高級住宅地でしょう？私にも見せて、高級住宅地がどんなものか見てみたいわ」

「やめなさいよ。琉璃宮より大きいわけないでしょう」

俞閔閔は言った。「琉璃宮の実際に住める部分は顧家より小さいわよ。でも琉璃宮は前の方にオフィスや公務を処理する場所が多いから、大きく見えるだけなの」

「そう」

二人は外を歩き、後ろには琉璃宮の親衛兵たちが付いていた。

彼らはいつも付いてくるもので、俞閔閔もだんだん慣れてきていた。

俞閔閔は尋ねた。「彼女はここにどのくらい住むつもり？」

「さあね。傷が治るまでじゃない？あの傷は実は危険だったの。あと一寸で肺に当たるところだったけど、運が良くて肩に当たったの。きっと、治っても治ったとは言わないで、しばらくごねるんじゃないかしら」

俞閔閔は言った。「それは良くないわね。でも、顧靖澤はきっと何か方法を考えて、彼女を追い出すわよ」