第313章 墨社長は蜂や蝶を引き寄せすぎる

「お、奥様?」少女は呆然とし、その後心が砕けてしまった。

  こんな極上のイケメンが、すでに奥様がいるなんて。

  隣にいた他の女の子たちも残念そうな表情を浮かべたが、すぐに考え直した。こんなに条件の良い男性なら、たくさんの女性が争って欲しがるのも当然だ。

  このような男性の周りには、常に無数の女性が取り巻いているものだ。

  晩婚族になるはずがない。

  彼の奥様がどんな顔をしているのか、目を楽しませるような大美人なのかどうか知りたいものだ。

  男性が奥様のことを話し始めた瞬間、彼の目元は途端に優しくなり、もはや人を遠ざけるような態度ではなくなった。

  しかも、自ら花屋に来て奥様のために花を選んでいる。

  きっと、彼は奥様のことが大好きなんだろう。

  数人の若い女の子たちの目には、羨望の眼差しが浮かんでいた。