第361章 心臓病は治せる

そんなことはないだろう。

　　誰が病弱な人を好きになるだろうか。

　　そして彼は今、健康な体さえ持っていないのに、思ってはいけないことを考える資格なんてあるのだろうか。

　　「姉さん、僕の病気は本当に治るの？」喬宸は黒く澄んだ瞳に光がなく、自信なさげな目つきで言った。「中学生の時、同じ病気の同級生がいたんだ。彼も手術を受けて、たくさんの治療を受けたけど...結局亡くなってしまった。」

　　「姉さん。」

　　喬宸は顔を上げ、黒く澄んだ瞳に涙が浮かんでいた。少年の声はわずかに震えていた。「僕も...でも...姉さんと離れたくないよ。」

　　「宸宸、そんなこと言わないで。」喬綿綿は眉をひそめ、痩せすぎた少年の体を抱きしめた。一方の手で彼の短く刈った髪を優しく撫でながら、声も少し詰まらせて言った。「心臓病は治せるのよ。あなたは同級生と同じようにはならないわ。」

　　「義兄さんはその分野の専門家で、とても優秀なの。手術さえすれば、あなたの病気は治ると言っているわ。そうすれば、あなたも普通の人と同じになれるのよ。彼を信じて、いい？」

　　「すべての心臓病が治せないわけじゃないの。私たちの病気は治せるのよ。医者の指示に従って治療すれば、きっと良くなるわ。あとで義兄さんに聞いてみるわ、いつ手術ができるかって。早めに手術を済ませればいいのよ。」

　　喬綿綿は自分でもあまり自信を持ってこれらの言葉を言えなかった。

　　心臓病は確かに治る場合もあるが、また確かに...

　　喬宸のような状況では、治る可能性も失敗する可能性も半々だった。

　　しかし喬綿綿はそうは言えなかった。

　　彼女が自信なさそうに見えたら、喬宸はどうすればいいのだろう？

　　「宸宸、姉さんを信じて、義兄さんも信じて。自分自身も自信を持って、もう変なことを考えないでね？」

　　彼女がしばらく慰めると、喬宸の気持ちは次第に落ち着いてきた。

　　彼は少し恥ずかしそうに喬綿綿から離れ、顔を赤らめて言った。「姉さん、ごめんなさい。また心配させてしまって。」

　　喬綿綿は幼い頃のように、彼の整った白い顔を軽くつねった。「わかっているなら、もう変なことを考えちゃだめよ。」

　　「うん。」喬宸はうなずいた。