綿綿も容姿重視で、見た目のいい人には自然と親近感を覚えるタイプだった。
しかし宮澤離に対しては、どんなにイケメンでも少しも親しみを感じなかった。
「お嬢さん、このバッグはいかがですか?」
店員が近づいてきて、微笑みながら言った。「もしまだ決めかねているなら、このバッグは林さんのために包んでおきますが。」
喬綿綿が何か言う前に、宮澤離の隣にいた女性が敵意に満ちた目で彼女を見つめ、威圧的に言った。「なぜ彼女に聞くの?彼女には絶対買えないわ。早くこのバッグを包んで、私はこれから他の店にも行くんだから。」
宮澤離の隣にいた女性は芸能界の新人で、林菲兒という名前だった。
彼女も苦労して宮澤離と知り合い、この金の脛を確実につかもうと宮澤離の傍にいた。
まだこの金の脛をしっかりつかめていない今、宮澤離が綿綿をじっと見つめているのを見て、さらに綿綿がこんなに美しいのを見て、すぐに危機感を覚えた。
この女はどこから現れたのかしら。
さっきまで見かけなかったのに。
きっと宮さまを誘惑しようとして、偶然を装っているのよ。
こんな小悪魔のような顔で、男を誘惑しに来たんじゃなければ、何しに来たというの。
絶対に宮さまを奪われるわけにはいかない。
女性の敵意に満ちた目が綿綿の顔に落ち、数秒見つめた後、見れば見るほど嫉妬心が湧いてきた。
彼女は若さを誇り、コラーゲンたっぷりでピンクでみずみずしい肌を自負し、自分に匹敵する人はほとんどいないと思っていた。
しかし綿綿の白くてきめ細かく毛穴さえ見えない顔を見ると、彼女の優位性が一気に消えてしまったようだった。
女が女を見る目は最も正確だ。
彼女には分かった。綿綿の顔にはファンデーションさえ塗っていないのに、化粧下地とパウダーを塗った自分の顔よりもずっと白くてきめ細かいのだ。
しかも綿綿の顔の肌と首や手の肌が同じで、顔だけでなく全身が白い。一目見ただけで、彼女の肌は白すぎて光っているように見えた。
芸能界には肌の綺麗な女優は多い。
しかし綿綿のようなレベルの人は、林菲兒はほとんど見たことがなかった。
林菲兒をさらに怒らせたのは、肌で綿綿に及ばないだけでなく、顔も及ばないことだった。