彼は顔を曇らせて考えた。喬綿綿も……きっと演技だろう。
スマートフォンをロックしようとした時、WeChatが「ピン」と鳴った。
墨夜司のWeChatには数人しか登録されていなかった。
通知音が鳴ったので、WeChatを開いた。
開いてみると、グループチャットに新しいメッセージが届いていた。
このWeChatグループは言少卿が作ったもので、メンバーは5人だけだった。
彼と言少卿、宮澤離、陸饒、そして沈柔だ。
墨夜司は普段グループチャットを見る気が起きなかった。なぜなら、10回中8回は言少卿が一人で盛り上がっているだけだったからだ。
今は少しイライラしていたので、ついつい開いてみた。
すると言少卿が短い動画をグループに投稿していて、そこには男女がXXしているシーンが映っていた。
動画の上には「XX18手」という文字が書かれていた。
墨夜司が動画の具体的なポーズを確認する前に、言少卿が現れて動画を「取り消し」た。
我は汝の言さま:すみません、手が滑りました。
普段なら、墨夜司は言少卿がこのような動画を投稿したら叱りつけていただろう。
でも今日は……
彼はグループチャットの「取り消し」という文字をしばらく見つめ、数秒迷った後、言少卿のアイコンをタップして個人チャットを始めた:さっきの動画は何なんだ?
我は汝の言さま:二哥、怒らないでください。本当に手が滑っただけです。もう取り消しましたから。
墨夜司:今取り消した動画を送れ。
我は汝の言さま:??二哥、何をするつもりですか?
墨夜司:余計なことを聞くな。送れ。
我は汝の言さま:(驚愕)まさか、二哥。前はこういう動画大嫌いだったじゃないですか。どうして変わったんですか?本当に二哥ですか?ボイスメッセージ送ってください、確認させてください。
墨夜司はこの返信を見て、唇を引き締め、画面から飛び出して言少卿を殴りたくなった。
ボイスメッセージは送らず、代わりに言少卿に電話をかけた。
相手は即座に出た:「二哥?」
「すぐに動画を送れ。」
墨夜司は危険な口調でそう言うと、電話を切った。