喬綿綿の元々赤みがかった小さな顔が、一瞬でさらに透き通るように赤くなった。
白くて小さな耳たぶまでも、少しずつ赤くなっていった。
この男のケーキを食べる姿は...あまりにもセクシーで魅惑的すぎる。
特に、ケーキを食べている時も彼の視線は彼女から離れることなく、喬綿綿は、まるで彼が食べているのはケーキではなく、自分であるかのような錯覚を覚えた。
そう思うと、小さな心臓の鼓動がさらに速くなった。
顔もますます熱くなっていく。
さらに厄介なことに、ケーキを食べさせた時に少し彼の唇の端に付いてしまい、この男は過度に唇の端のケーキを舐めとってしまった。
ケーキを舐める動作が、とてつもなくセクシーだった。
魅惑的で堪らない。
喬綿綿は、彼がわざとやっているのではないかと疑うほどだった。
「美味しい」墨夜司は唇の端のケーキをゆっくりと舐めとった後、ピンクの小さなスプーンを軽く噛んで、低い声で言った。「ベイビー、もっと食べさせて」
喬綿綿:「...」
彼は本当に、今にも爆発しそうな沈柔が見えていないのだろうか。
このまま食べさせ続けたら、沈柔の視線で殺されてしまいそうだった。
「司くん...」
震える声が響き、一時の艶めかしい雰囲気を打ち破った。
喬綿綿が振り向くと、沈柔は目を赤く潤ませ、とても悔しそうで傷ついた様子で、涙を浮かべた目で墨夜司を見つめていた。
彼女は声を詰まらせながら話し始めた:「まだ私のことを怒っているの?あの日は私が悪かったわ。事実を確認せずに綿綿の弟さんを侮辱するような言葉を言うべきではなかった」
「私が間違っていたことは分かっています」
「綿綿に謝罪したいわ。あなたが許してくれるなら、何でもするわ」
「でも、お願い、こんな風にしないで。私、本当に耐えられないの」
墨夜司は振り向いて、彼女のあわれっぽく、へりくだった様子を見つめ、表情を変えることなく、極めて冷淡な声で言った:「何しに来たんだ。今日は会う時間がないと言っただろう」
喬綿綿に対する時の優しさや甘やかしとは、まるで別人のような冷たさだった。
喬綿綿を見る時の彼の目は、優しさに満ち、人を魅了するほど深い愛情で見つめていた。
しかし沈柔に対する時は、冷たさしかなかった。
それどころか、どこか距離を置くような様子さえ見せていた。