「どうしても言いたくないなら、言わないわ」
「あなたと司くんが一緒になれるなら、私は祝福するわ。でも今、司くんは既に結婚しているのに、あなたはまだ諦めきれない。もう、あなたが彼のことをどれだけ愛しているとか、どれだけ大切に思っているとか、聞きたくないわ」
「私に感情がないと思っているの?辛くないと思っているの?」
言い終わると、宮澤離は黙り込んだ。
沈柔も長い間黙っていた。
長年避けてきたことが、ついに暴かれてしまった。
「もういいよ、何も言わなかったことにしよう」数分後、宮澤離が先に口を開いた。「さっきの言葉は撤回する。聞かなかったことにしてくれ」
しかし、一度口に出した言葉を、聞かなかったことにするのは不可能だった。
それに、今回の沈柔は意図的に彼に言わせる機会を与えたのだ。