第251章 餌の争奪戦

ワー！すべすべで幼いわ。

　　白箐箐は手放したくないほど夢中になり、幼蛇の頭から体まで撫でた。

　　幼蛇は気持ち良さそうに頭を上げ、体を弓なりにして白箐箐の手に擦り寄った。

　　いつの間にか、地面の幼蛇たちは全て白箐箐の足元に集まり、頭を上げて目をキラキラさせながら白箐箐を見つめていた。

　　白箐箐は彼らの様子に気づき、優しく微笑んで屈んだ。「あなたたちも撫でてほしいの？」

　　「シュシュ〜」

　　幼蛇たちは興奮して跳ね上がった。白箐箐が手を伸ばそうとしたその時、外からヘビが這う音が聞こえてきた。

　　「ただいま」カーティスの冷たい声が響いた。幼蛇たちは突然、大敵に遭遇したかのように身構え、白箐箐の後ろに隠れた。

　　白箐箐の指にいた幼蛇は慌てて左右を見回したが、結局、体に感じる温もりが忘れられず、母親の手にしっかりと巻き付き、駝鳥のように頭を母親の暖かい掌に埋めて死んだふりをした。

　　白箐箐は嬉しそうに幼蛇を持って外に出て、寝室のドア口に立ち、手を上げて言った。「カーティス、見て。小蛇ちゃんが私を噛まなくなったのよ」

　　幼蛇は雷に打たれたかのように体を激しく震わせた。バレた、バレた！

　　プロの詐欺師も、たかがしれてる。

　　「ふぅん？」カーティスは鼻で返事をした。

　　幼蛇の体がゆるみ、「パタッ」と音を立てて地面に落ちた。白箐箐の両足の間を通り抜けて後ろに逃げ、寝室の幼蛇軍団に紛れ込んだ。

　　白箐箐は反射的に手を伸ばしたが、幼蛇が地面に落ちてすぐに逃げたのを見て、大丈夫だろうと安心した。

　　振り返ってみると、どの幼蛇が落ちたのかもわからなくなっていた。

　　ここの獸人が幼い子供たちに名前をつけない理由がよくわかった。つけても見分けがつかないのだ。少なくとも人間の白箐箐には、それぞれの幼蛇の違いがわからなかった。

　　カーティスは冷たい目つきで白箐箐の後ろを見た。幼蛇たちは全て壁際に隠れていて、彼の視界には入っていなかった。

　　「シュシュ〜」カーティスは舌を出し入れした。幼蛇たちはおずおずと群れをなして出てきた。

　　「何を言ったの？」白箐箐は笑いながらカーティスに近づき、カーティスが持っている長角羊を見て言った。「これは彼らの食事？こんなに大きいならパーカーも一緒に食べられるわね」