第21章 孔雀さんの求愛ディスプレイ

白箐箐は川辺でしゃがんで手を洗い、水面に映る大きな花のような顔を見て、一瞬ぼんやりとした後、「プッ」と笑った。

「まあいいか、そのうちカーティスとパーカーが来るから、何も怖くないわ」白箐箐は笑いながら言い、手で水をすくって飲んだ。

白箐箐の見えない角度から、ムーアは彼女から目を離さずに見つめ、「うん、彼らのことは気をつけておくよ」と言った。

白箐箐は川辺で大いに食事をし、食べ残しをムーアは一口も食べずに、全て葉っぱで包んで、お腹が空いた時用に取っておいた。

「メスの一人のために松の実の殻を剥かなきゃいけないから、もう行くわ」白箐箐はお尻を叩いて立ち上がった。

「ちょっと待って」ムーアもすぐに立ち上がり、荷物と食べ物を拾い上げ、白箐箐を見つめる目に名残惜しさが滲んでいた。「夜に食べ物を持ってくるから、ここで待っていて」

「いいの、ここにある肉で一日は十分だから、あなたも早く食べ物を探しに行って、一人で外にいるときは気をつけてね」

白箐箐は念を押した。彼女はこの状況にとても満足していた。クジャク族では少し仕事をするだけで、ムーアにあんな目で見られることもなく、心がより落ち着いていた。

ムーアは名残惜しそうに白箐箐をクジャク族まで送り、彼女の姿が視界から消えるまで、魂が抜けたように立ち尽くしていた。

白箐箐は満足げにお腹を撫でながら、木の巣の中を歩いていた。遠くに数羽の孔雀さんが羽を広げているのを見つけ、目を輝かせて急いでその方向に向かった。

大きな木の後ろに隠れて、白箐箐は注意深く見ると、見覚えのある人がいた。蛇の抜け殻のチューブトップは間違いようがなく、ベラだった。

「クークー」見て。

「クークー」見て。

「クークークークー」見て見て。

三羽の孔雀さんがベラに向かって、尾と翼を最大限に広げ、自分を見せびらかしながら、隣の競争相手を隠そうとしていた。

白箐箐は目を輝かせていた。孔雀さんの羽広げ、なんて綺麗なんだろう、インターネットの写真よりずっと素敵だった。

白箐箐は一羽一羽見ていくと、アルバも近くにいることに気付いた。