第411章 これは墓ではないのか?

「死体の腐臭がする。見に行きましょう」と顾宁が言った。

「何?死臭?」と聞いて、皆は驚いた。ここで誰かが死んでいるなんて。

しかし、死体には慣れていたので、怖がったり動揺したりはしなかった。

そして、李茂松たちは顾宁について行った。

死体の前に来ると、露出している顔を見て李茂松たちは驚いた。「趙おじさんじゃないか」

「趙おじさんがなぜここで死んでいるんだ?」

「もしかして、この周辺に本当に墓があって、仲間に殺されたのか?」

趙おじさんも盗掘屋で、この辺りに古墳があるという噂があり、彼がここにいるということは、間違いなく古墳に関係していた。

「周りを探してみましょう」と顾宁は言った。彼女は穴の位置を見つけていたが、すぐには指摘できなかった。疑われるからだ。

皆はそれを聞いて、すぐに周辺の捜索を始めた。一方、顾宁は穴の方向を透視した。

穴は死体の前方三メートルの位置にあり、入口は大きな岩で塞がれていた。普通の人には、その岩の中に空間があるとは分からないだろう。

穴は十メートルほどの深さがあり、ほぼ寺の真下まで達していた。穴の奥には五、六平方メートルほどの空間があったが、中は何もなかった。

そうだろう、中の物は全て墓泥棒に持ち去られていたのだから、今は何も残っていないはずだ。

しかし、その空間の周りには、これ以上の延長はなかった。

もしかして、これは普通の墓なのだろうか?

でも、それもおかしい。普通の墓なら、棺があるはずだ。墓泥棒が棺を盗むはずがない。

顾宁がさらに深く透視すると、やはり不自然な点を発見した。この墓の壁の内側一メートルのところに、また空間があった。つまり、二つの空間が一メートルの土で隔てられていたのだ。

その空間には何もなかったが、墓道が延びていた。

どうやら、外側の空間は単なる偽装で、墓泥棒たちはここまで来て、もうないと思い込んだようだ。

顾宁は他の人が気付かないうちに、岩を少しずらして穴の入口を三分の一ほど露出させ、まるで今発見したかのように叫んだ。「みんな、こっちに来て。ここに穴があるわ」

李茂松たちは声を聞くと、すぐに駆けつけ、本当に穴があるのを見て、急いで岩を動かし、懐中電灯を取り出して中を照らした。

「これが盜掘穴だな」と李茂松が言った。