216 慕傾城2

他の歌舞ホールのオーナーたちも心をくすぐられ、高額なオファーを出し、この宝石を引き抜こうと前後から群がっていた。

  これは間違いなく安定した収入をもたらす金のなる木だった!

  当時、引き抜きを試みる人々は少なくなかった。

  しかし、慕傾城は情に厚い女性で、他のオーナーが約束した待遇が当時のものよりもはるかに良かったにもかかわらず、動じることはなかった。

  それ以来、慕傾城は公認の第一歌姫となり、誰も超えられない地位を確立した。

  時が経つにつれ、パレスメンの商売は繁盛し、他の歌舞ホールの商売は衰退していった。

  最終的に、他に方法がなく、それらの歌舞ホールは閉店せざるを得なくなり、パレスメンだけが京城で独占的に栄え続けた。

  ホールのオーナーは彼女に非常に良くし、決して冷遇することはなかった。

  結局のところ、彼女は歌舞ホールの看板だったので、当然ながら仏様のように大切にされていた。

  しかし、時が経つにつれて、彼はゆっくりと小さな思惑を抱くようになった。

  古来より、美人を愛さない男がいるだろうか?ましてや、このように妩媚で妖艶な女性を、どの男が拒否できるだろうか?

  当時の慕傾城はまさに花の年齢で、18歳未満、まだ青々としていた。舞台メイクを落とすと、まるで清水芙蓉のようで、全身に致命的な誘惑が漂っていた。

  ある日、彼女を家まで送る途中、彼女の家の門前で、彼は突然飛びかかってきた。

  慕傾城も彼がそのような考えを持っているとは思っていなかったので、一瞬驚いてしまった。

  彼女は歌姫ではあったが、性格は高慢で、緊急時には恥ずかしさと怒りから死をもって脅し、彼はようやく思いとどまり、悔しそうに去っていった。

  しかし、彼女は知らなかったが、その時の光景はタブロイド紙の記者に盗撮され、新聞に掲載されてしまった。

  そして、傾城の歌姫の不貞に関する噂が一時的に町中に広まった。

  一夜にして、彼女の生活は激変した。

  元々、お客たちの心の中で、彼女は神聖で高貴な存在であり、侵すことのできない存在だった。しかし、彼女のスキャンダルが町中に広まるにつれ、彼女のイメージは大きく落ちた。