お化け屋敷の魂の衝撃(3)

奕辰くんは呆然として、息も詰まるような思いでいた。

二人のちびっ子ちゃんが、生まれて初めてこんなに近くにいて、ぬいぐるみ一つの距離しか離れていなかった。

ぬいぐるみが奕辰くんを隠していたため、雲天佑は彼の顔を見ることができず、ただ身長から判断すると、自分より年上の子供のようだった。

「このジャイアントパンダはパパが取ってくれたの？」

奕辰くんはその言葉を聞いて、少し恥ずかしそうに顔をぬいぐるみに埋め、モフモフのぬいぐるみを通して、少し籠もった声で答えた。

「違うよ、これは...これは僕が取ったんだ！」

「バルーン射撃のゲームで？」雲天佑は感心したように言った。

「うん！」

雲天佑は笑顔を浮かべた。「わぁ！すごいね！」

心の中では：まさか？

あのゲーム、大人でも難しいのに、この年齢の子供がクリアできるはずがない。

でも、自分が普段解いている高校数学の問題が本物の高校生の優等生でも解けないことを思い出すと、そう不思議でもなくなった。

「何点取れたの？」雲天佑はこの子の実力が気になってきた。

奕辰くんは答えた。「百九個のバルーンで、千点以上かな。」

雲天佑は黙り込んだ。「...」

一分間で百九個のバルーン...

冗談じゃない。

彼はこのスコアの信憑性を疑い始めた。

もし本当にこの子が取ったのなら、このゲームの難易度が低すぎるんじゃないかと考え始めなければならない。

雲天佑はさらに尋ねた。「このおもちゃ、好き？」

おとぎ話の谷の株主の一人として、お客様の遊園地体験を気にかけるのは必須の仕事の一つだった。

奕辰くんは少し籠もった声で答えた。「好きじゃない...」

「えっ？じゃあどうして...」

「弟にあげるために取ったんだ...」

奕辰くんのいつもの清冷で高慢な顔に恥ずかしそうな赤みが差し、声も恥ずかしそうに、少し照れくさそうだった。

「弟が好きだから、これを取って、弟にあげたいんだ！」

なぜか、奕辰くんのぎこちない表現が、雲天佑の心をふと揺さぶり、そして唇の端に自然と賞賛の微笑みが浮かんだ。「君は本当にいいお兄ちゃんだね！ここで楽しく過ごせますように。」

そう言って、雲天佑は自分の列に戻った。

奕辰くんはジャイアントパンダの後ろからそっと小さな頭を覗かせ、雲天佑の後ろ姿を見つめながら、心の中で衝動を感じていた。