第511章 私は裏で悪事を働くことはない

今回、林紹遠は黙り込んだ。

唐寧は二枚舌を使う人間ではなく、嫌いなものや憎むものに対しては、直接的に表現するからだ。

姉妹は昔から水と油のような関係で、だから唐寧も隠す必要はなかった。

唐寧は明らかに唐萱を唐しから完全に追い出そうとしており、彼女のやり方からすると、根こそぎ一掃する可能性が高かった！唐萱の唐しでの勢力を一網打尽にするつもりだった。

唐寧の決断力に、取締役たちは今や認めざるを得なかった。見事な二つの勝利を連続で収め、唐寧の能力を彼らは認めなければならなくなった。

そのため、会議終了後、唐寧は即座に解雇命令を下し、秘書の職さえも唐萱には残さなかった。

唐萱は社長室に突入したが、唐寧は背中すら見せなかった。

「実の姉まで見捨てるなんて、唐寧、因果応報を恐れないの？」

最後に、喬宇聲はうんざりして仕方なく出てきて、一言返した：「社長は、ここは彼女の言うことが全てで、あなたを解雇するのは彼女の基本的な権利だと言っています。」

「唐寧……唐寧、出てきてはっきりさせなさい……」

「唐お嬢様、どうぞお家で安静にして胎児を大事にしてください。もしお腹の子供に何かあれば、私たちには責任が取れません。」喬宇聲は社長室のドアの前に立ちはだかった。

「唐寧、こんなことで私を会社から追い出せると思わないで。」

社長室で、唐寧はソファに座って静かに目を閉じて休んでいた。唐萱に対して、彼女の瞳の炎は、少しも許す気配を見せなかった。

「社長、追い出しました。」

「唐萱に関係する人員を整理して、するべきことをしなさい。」唐寧は目を閉じたまま静かに言った。

喬宇聲は頷き、長いため息をついた：「これで唐しが平穏になることを願います。」

「平穏？」この言葉を聞いて、唐寧は体を起こし、笑みを浮かべた。「唐萱にはまだ切り札がある。それは彼女のお腹の子供よ。それに、VIP招待リストの流出が、唐萱一人で計画できたと本当に思う？」

「社長の意味は……」

「今日はここまでにしましょう。新製品発表会の準備をしっかりと。」唐寧は話を途中で切った。賢い者同士、言葉を尽くす必要はなかった。

こうして、唐寧は迅速な手段で唐しを掌握し、見事な二つの勝利により、芸能ニュースの一面から経済面へと掲載場所を変えた。