第373章 抜かりない

「私もダニエルさんに同意します」と蔡さんが口を開いた。

「えっと...」まあ、これじゃあ寧夕に聞くしかないか?

そこで、ホテルの社長は急いで寧夕の方へ走っていった。「寧さん、先ほどのダニエルさんと蔡さんのお話はお聞きになったと思いますが、お二人はあなたのお客様の撮影のみを許可すると仰っています。今、外にはたくさんの記者が待っているのですが、これについて...」

寧夕はそれを聞いて目を伏せ、少し考え込んだ。今や各方面が好意的な態度を示している中、もし彼女がここで断れば、あまりにも多くの人を敵に回すことになる。実際、記者たちの顔を立てることは悪くないのだが、ただ...

寧夕は言葉を慎重に選びながら、こう切り出した。「この宴会は『天下』のクランクアップパーティーであって、私個人の宴会ではありません。王プロデューサーと映画監督が異議がないのであれば、私も異議はありません!

ただし、馮社長、外の記者たちについては、資格のある者だけを入れるよう選別をお願いします。そしてもう一つ、絶対に宴会の秩序を乱さないようにしてください。さもなければ、退場していただくことになります!

二人の巨匠が遠方からいらっしゃっているのですから、誰も不快な思いをさせたくないはずです。いかがでしょうか?」

寧夕のこの発言は実に隙のないものだった。馮社長の目には、かすかな賞賛の色が浮かんだ。彼はこの宴会が順調に進むことを最も望んでいる人物だったので、当然ながら連続して承諾した。「もちろんです、もちろん!すぐに彼らに伝えに行きます。警備員も増員して秩序を維持します。今晩の宴会とお二人の先生方の邪魔にはなりません!」

すぐに、外から大勢の記者が入ってきた。

記者たちも協力的で、さすがプロのグルメジャーナリストたちだけあって、二人の巨匠への敬意だけでも無礼な振る舞いはできなかった。寧夕に目で感謝の意を示した後、皆静かにそれぞれの場所を見つけてカメラを設置した。

東西の食文化の衝突が、正式に始まった...

馮社長が慌ただしく調理台の準備を指示している最中、給仕が急いでメモを持ってきた。「社長、これがお二人の巨匠が必要とする食材リストです!」