第262章 パーティー

この件は現在、浜城國際高校でしか知られていません。夏夫人の家に来ている他の奥様たちの大半は、真相を知りません。

  この話を聞いて、群衆の中の李夫人が思わず口を開きました。「まさか?私も薛夫人とお会いしたことがありますが、そんな人には見えませんでしたよ。」

  誰かが尋ねました。「あなたは薛奥様と接点があったんですか?」

  李夫人はうなずきました。「ええ、一緒に展覧会を見たことがあります。前にお話ししたと思いますが。実は薛夫人こそが本当の大家なんです。許芳は薛夫人の能力が突出して自分を超えることを恐れて、妨害工作までしたんですよ。最後は相隱居士が顔を出して、薛夫人の名誉を回復させました。今では薛夫人は濱城美術協會の會長なんですよ!」

  「それは書香の家柄ですね!そういう教養のある方なら間違いないでしょう。」

  この世界では、ほとんどの人が知識人を尊重しています。国画の大家と言えば、やはり尊敬されるものです。

  しかし、こう言う人もいました。「人は見かけによらないものです。才能は八斗あっても、徳が伴わない人もいます。許芳だって国画界の大家でしたが、品行方正ではありませんでした。普段は私たちには分からないものです!」

  「それに、薛夫人が良い人だとしても、孤児院から見つかったばかりのこの娘が良い人とは限りません。外で18年も過ごしていたんですからね!」

  「そうそう、なぜ浜城國際学校で彼女の噂だけが広まったんでしょう?きっと何か問題があるんですよ。」

  李夫人は薛夕のことを思い出し、首を振りました。「薛さんはそんな人じゃないと思います…」

  「あなたがどうしてそれを知っているんですか?」

  「そうよ、私の娘が保証したんですからね!」

  夏奥様が近づいてきて、数人の会話を聞いて、不快そうな表情で言いました。「全貌を知らずに評価するべきではありません。皆さん、それも分からないんですか?」

  みんなは一斉に口を閉ざしました。

  豪門の富裕層の奥様として、基本的な教養は必要です。ただ普段があまりにも暇なので、ついつい裏で噂話をしてしまうのです。

  みんな笑顔で夏夫人にうなずきました。

  夏夫人は少し身を寄せ、彼女の後ろから16、7歳の少女が現れました。派手な赤い服を着て、艶やかで人目を引く美しさでした。