第525章 方方！！！

秦爽は夕さんがこんな質問をするとは思わなかった。一瞬戸惑い、隠しきれない気まずさを見せながら、言い訳をもごもごと作り出した。「あの、あの、誰が知るものですか。たぶん自分の人を送り込もうとしているんでしょう」

秦爽は確信していた。もし番組側が黒髪でないと出演できないと言えば、夕さんは彼女のために染めるだろうと。

でも、夕さんに無理をさせたくなかった。

あの赤い髪の件は、触れたくもない話だった。

そう言って、秦爽は不安そうに夕さんを見たが、夕さんは彼女をしばらく見つめた後、「……そう」と言った。

秦爽はまだ安心できず、夕さんが何か気づいているのではないかと思い、咳払いをして言った。「あの、夕さん、私先に行きます。車が外で待ってるので」

薛夕は頷いた。

秦爽が校門を出て行った後、薛夕は眉をひそめ、携帯を取り出して岑白にメッセージを送った：【番組側が私の参加を認めない理由は何？】

岑白の返信を待たずに、薛夕はさらに強い口調で：【本当のことが知りたい】

彼女は秦爽の様子がおかしいことに気づき、原因は自分にあるのだろうと分かっていたが、番組に出たことのない彼女には、番組側のどんな要求を満たしていないのか分からなかった。

そして秦爽があんなにもごもごしていたのは、なぜだろう？

薛夕がそう考えていると、岑白からすぐには返信がなく、おそらく車に乗ったばかりで秦爽と話しているのだろうと思った。待つのも面倒になり、携帯をポケットに入れて帰り始めた。

道中、孫萌萌、李紫夏、謝瑩瑩の三人は、まるで夢を見ていたかのようだった。

三人は感嘆しながら：

「岑白さん、本当にかっこいいよぉ！」

「テレビで見るよりもかっこいいし、立体的な顔立ちよね。それに、本当に細くて背が高いの！」

「そうよね、ああ、性格もすごくいいし、ネットで言われているようなことは全然ないわ！」

「秦爽が旦那様の愛を得られるなんて羨ましい！でも考えてみれば、秦爽も綺麗よね！」

「確かに綺麗だけど、なんか岑白には釣り合わないような気がする……」

芸能人には一定の距離感があり、秦爽は現在ただの練習生に過ぎず、地位も身分も確かに岑白とは差があった。

李紫夏は最後に本音を漏らした：「私たちがアイドルフィルターをかけすぎているのかもしれない。誰も旦那様には釣り合わないって感じちゃう。はぁ！」