薛夕は目を凝らした。小堅物さんは彼女に何の用があるのだろう?
前回、特殊部門のシステムに侵入した時に発見されたのだろうか?でも、こんなに時間が経っているのに、どうして今になって発見されたのだろう。
それに、どのXのことだろう?
これは絶対に聞けない。聞いたら知っていることを示すことになり、自分の正体が露見してしまう。
薛夕は頭が良かったので、尋ねた:「彼女に何の用があるの?」
まさか、システムに侵入しただけで、何も見ていないのに、逮捕されて裁判にかけられるということはないだろう?
小飛鳩ちゃん:「何かプログラミングを書くらしいよ。詳しいことは私も知らないけど、私の担当じゃないから、ただメッセージを伝えるだけ。」
そう言った後、得意げに続けた:「彼はあなたの電話番号も欲しがったけど、私が教えるわけないでしょう?夕さんをいじめる機会なんて与えられないわ。安心して、彼は絶対にあなたを見つけられないわ!」
薛夕:「……ああ、そう。じゃあ、できるだけ。」
電話を切ると、WeChatに友達申請が来ていた。開いてみると相手の名前は:鄭直。
薛夕:「…………」
情報を漏らさないと言っていたのに?
小飛鳩ちゃんは全然当てにならないじゃない!
薛夕はその友達申請を無視して、携帯を横に置いた。彼女は法務部の人間じゃないのに、鄭直が何の権利があって彼女を友達に追加するの?
それに、小堅物さんは彼女に対してそんなに悪い印象を持っているのに、追加したら自分から罵倒されに行くようなものじゃない?
まあ、彼女は全然気にしないけど。
薛夕は伸びをして、ちょうど起き上がろうとした時、部屋のドアがノックされ、葉儷がドアを開けて彼女を見た:「部屋から物音がしたから、起きたかなと思って。起きて夕食を食べましょう!」
彼女は手に毛糸玉を持って、セーターを編んでいた。
薛夕はそれを見て、興味を持った:「これって編むの簡単?」
葉儷は答えた:「まあまあかな。結構簡単よ。あなたが習いたいなら、教えてあげるわ。」
薛夕:「……一つ編むのにどのくらいかかるの?」
葉儷は考えて答えた:「慣れている人なら、セーター一枚を編むのに数日くらいかな。でも、あなたはセーターじゃなくてマフラーを編んだら?これなら早くて、2日で完成よ。」
2日……
その間に何冊もの本が読めるのに。