鄭直は素早く返信した:「P9ランクですよ。これは多くの人が夢見るレベルで、一生かかっても到達できない人もいます。これは私の職務範囲内で、あなたのために獲得できる最大の待遇です。ネットワーク部門には今、強力なリーダーがいません。もしあなたが来てくれれば、部門のメンバーたちはあなたに従うでしょう。もちろん、私は実際にあなたが超能力者ハッカーを撃退するのを見ました。世界トップクラスのハッカーだったそうですが、私も心からあなたを尊敬しています。」
薛夕:「…………」
P9。
このランクがあれば、景飛と鄭直と同等の立場になれるじゃない!
薛夕は目を輝かせ、少し考えてから返信した:「リモートワークでも大丈夫ですか?」
鄭直は急いで返信した:「問題ありません!法律に違反しない限り、顔を出さなくても構いません!特殊部門では匿名での勤務も認められています!」
多くの超能力者は、能力は凄いものの、家族に知られたくないため、匿名で働いており、個人情報はSランクの機密扱いで、一般人には身元が分からないようになっている。
前例があるからこそ、鄭直はこれほど快く同意したのだ。
薛夕は返信した:「ネットワーク部門に、超能力者スクリーニングシステムの関連資料を送ってもらえますか?今後はメールで連絡を取り合いましょう。」
鄭直:「承知しました。ただし、あなたの身元情報をボスに送っていただけませんか?P9という高位の職は、素性の分からない匿名の人物には与えられません。ご安心ください、ボスは極めて公平で、知られたくない情報は絶対に漏らしません。私にさえも教えないでしょう。」
ボス?
全能スーパースターのことかな?
薛夕は前回特殊部門に侵入した時、Xと名乗るハッカーと対峙したことを思い出した。
その相手に対して、薛夕は全く優位に立てなかった。
その人物は、もしかして先生?
薛夕は少し躊躇してから、鄭直にメッセージを送った:「彼とは直接連絡を取ります。」
先生に正直に話すべきかどうか、これは大きな問題だった。
薛夕はメールを閉じ、顎に手を当てて考え始めた。もし自分が侵入しようとしたものの何も得られなかったXだと告白したら、先生は自分を拘束するだろうか?
結果が分からないので、とりあえず謝瑩瑩の方を見た。振り向くと、謝瑩瑩が毛糸で何かを編んでいた。