第250章 包囲地点への援軍を攻撃

戦況がこのような状態になってしまった以上、後方からの支援が来ても間に合わないだろう。この間にどれだけの地雷が埋められ、奇襲地雷が仕掛けられたかわからない。後続部隊がついてくるのは、ほぼ不可能だ。

しかも、これは特殊部隊員と傭兵との戦いだ。もし夏天が勝てば、華夏の特殊部隊員の名声が世界中に響き渡るだろう。

もし爆撃機を出動させてここを平地にしてしまえば、華夏は今後も傭兵の禁地であり続けるだろうが、国際的には単にここが傭兵に対する抵抗が強いだけだと認識されるだけで、華夏の特殊部隊員はただのゴミだと思われ続けるだろう。

だからこの戦いは、夏天にとって国の尊厳を守るだけでなく、華夏の特殊部隊員の面目を保つための戦いでもある。

「扎虎さん、吉克が敵に囲まれています。すぐに救出しなければなりません」とバカザルが言った。

「敵は何人だ?」扎虎は顔を顰め、顔には長い傷跡があった。

「一人です」とバカザルが答えた。

「一人だと?吉克は馬鹿か?二人で一人に囲まれるなんて」扎虎は怒って叫んだ。

「相手はスナイパーです。先ほど吉克から連絡があり、彼らの11人小隊のうち7人がそのスナイパーにやられたそうです」とバカザルが説明した。

「そんなことがあり得るのか。サソリの傭兵は一人一人が万に一人の腕前だ。そんなに多くの人間が一人のスナイパーにやられるなんて」扎虎は信じられない様子で言った。

「しかも、そのスナイパーは昆おじさんの弟を殺した者です。昆おじさんは彼の首を指名しています」バカザルは昆おじさんの弟の遺灰を手に持っていた。

「昆おじさんが欲しがっている相手なら、やっつけてやろう。我々はこんなに大勢いるんだ。一人一つずつ唾を吐きかければ溺れ死ぬだろう」扎虎はうなずいた。

彼らはここに12人、さらに吉克のところに2人、合計14人いる。14人で1人と戦うのだから、彼らの自信は十分だった。普段の作戦では10人で100人以上、多い時は1000人以上と戦っていた。彼らは一人一人がエリート中のエリートだった。

今日、14人のエリートが1人と戦うのは、まさに最も簡単な戦いだった。