第329章 私も変異だったのか

夏天が一番気になっていたのは、自分が血を飲む必要があるかどうかということだった。もし血を飲む必要があるなら、それは大変なことになる。そうなれば彼も吸血鬼になってしまうではないか。人の血を飲むなんて、考えただけで吐き気がする。

「君は変異種だから、通常は血を飲む必要はないんだ。それに心配することはない。隱蝠でも月に一度血を飲めばいい程度で、伯爵様以上になると年に一度で十分だと言われているよ」と白羽は説明した。

「つまり、変異種なら血を飲まなくていいってことですか?」と夏天は尋ねた。彼は冰心のことを心配していた。

「もちろんだ。吸血鬼一族の中で、変異種は血統が純粋でないとされ、半吸血鬼程度としか見なされないんだ」と白羽は百科事典のように答えた。

「それなら安心です」夏天は将来、従姉妹たちにも変異してもらいたいと考えていた。彼が最も知りたかったのは悪影響があるかどうかだったが、今確認できた。変異には悪影響はなく、ただ強弱の差があるだけだった。冰心のように良い変異をした者は強くなり、悪い変異をした者は実力が劣るが、それでも普通の人類よりは速度も力も上回っている。