白羽が自分の側に来るのを見て、紅さんは少し驚いた。彼女と白羽は黄金比の身長差で、彼女は丁度白羽の肩の下あたりだった。
「うん」紅さんは頷いた。なぜか、白羽が付いてきてから、彼女は全体的に自信に満ち溢れ、何も恐れなくなったような気がした。
「くそ、ジャック、もう一杯くれよ。あいつら二人、俺を完全無視してるじゃないか。腹立つぜ」夏天はグラスをジャックの前に置いた。
「紅さんが言ってたでしょう。一日一杯までって」ジャックは夏天を断った。
「くそ、天理もへったくれもないな」夏天は白羽のグラスに目をつけた。白羽は紅さんと中に入ってしまい、彼の酒はそのまま置いてあった。
白羽のグラスを手に取り、夏天は一気に飲み干した。
「ふぅ、最高だ」夏天は長く息を吐いた。
ジャックは夏天の行動を見て、急いで紅さんのグラスを片付けた。夏天が紅さんの分まで飲んでしまうのが本当に怖かったのだ。