夏天は軍区の首長たちのバックアップがあり、それは周りの人々の心に疑問を抱かせることになった。この夏天は一体どんな身分なのか、なぜ軍区の首長と知り合いなのか、もしかして紅二代なのだろうか?
葉老でさえ眉をひそめた。確かに、葉家は大きな家柄だが、いくつかの軍区の本当の首長たちと比べると、やはり比べものにならなかった。
もし以前の夏天が彼の目には単なる手下に過ぎなかったとすれば、今の夏天は彼と対等に渡り合える身分を持つようになっていた。
少なくとも、葉家の名声で夏天を抑えることはもはやできなくなっていた。
しかし、自分の実力で相手を抑えようとすれば、年長者の立場を利用しすぎることになってしまう。
他の三つの部署の人々も一様に驚いた表情で夏天を見つめていた。彼らは夏天が軍区の首長と知り合いだとは思いもよらなかった。
「ふん!」葉老は冷たく鼻を鳴らし、もう何も言わなかった。彼は夏天に問題を起こすことはできなくなったが、威厳は保たなければならなかった。さもなければ、他人に夏天を恐れていると思われてしまう。
夏天も彼を無視することにした。
「あなたったら、本当にトラブルメーカーね」葉婉晴は無奈に首を振った。夏天が彼女のために葉老を叱ったことを理解していた。
目の前で成長を見守ってきたこの夏天を見つめながら、葉婉晴は突然、夏天があの人にますます似てきていると感じた。かつての夏天龍も彼女のために単身で隠門に殴り込みをかけたのだった。
「おばさんをいじめる奴がいるからさ。おばさんが問題を起こすなって言わなかったら、殴りかかってたところだよ」夏天は拳を振り上げながら言った。
「おばさんを心配してくれてありがとう。でも、これから気をつけてね。きっと他の三つの部署は中に入ったら私たちに対抗してくるはずよ。実弾は使わないけど、何か策略を使ってくるかもしれないから、用心したほうがいいわ」葉婉晴は注意を促した。
「大丈夫だよ。もし問題を起こしてきたら、全員そこで戦死させてやる」夏天は自信を持って言った。戦場が半分叢林で半分山地戦だと知った時、彼は勝利を確信していた。
叢林戦は彼が軍区で最も頻繁に訓練していた科目だった。
二十人の国際傭兵を一人で追跡した時も叢林戦だった。