第361章 憂鬱な錢たいちょう

その人が動き出すと同時に、後から来たもう一人も動き出し、二人は直接相手の百人以上の陣営の中に突っ込んでいった。

「すげえな、こんなに強いとは」第七グループのリーダーは驚きの目で二人を見つめた。

「この二人は絶対に普通の人間じゃない」葉婉晴は眉をひそめ、目の前の二人が百人と戦おうとしていることに驚いた。

ここは路地裏でもなく、狭い場所でもない。路地裏なら二人で百人と戦うことも可能かもしれない。なぜなら百人のうち同時に攻撃できるのは四、五人程度だからだ。

そうなれば、少し腕の立つ達人なら対処できる。

しかしここは路地裏ではなく、開けた場所だ。このような場所で戦うのは、彼ら二人にとって何の利点もない。それなのに、彼らは真っ直ぐに突っ込んでいった。

頭から血を流している方は特に勇猛で、戦いの最中も全く躱すことなく、相手の攻撃を体に受けていた。