第351章 3人の大物

「これだけでは足りない。現場に着いたら、積極的に彼を挑発して焦らせ、一旦彼が冷静さを失えば、より対処しやすくなる」蘇海市特別行動部隊の隊長が提案した。

彼の言う通りだった。人は表現欲が強くなりすぎると、必ず隙を見せるものだ。

彼らは長時間かけて夏天への対策を練っていた。彼らの目には、夏天は未知数だった。なぜなら、夏天の個人能力があまりにも優れていたからだ。前回の武術大会で、彼らは既に夏天の実力を目の当たりにしていた。

蘇海市特別行動部隊の隊長は面子を完全に失っただけでなく、主力メンバーも夏天に打ち負かされていた。

それらのメンバーはもう戦えない状態だったため、彼女は部隊員の中から新しいメンバーを選抜した。しかし、この新しいメンバーたちの総合実力が以前のメンバーに及ぶはずもなく、彼女は元々そのメンバーたちで優勝を狙っていたのに、結果はひどいものだった。全員が夏天に足を折られ、怪我は治るものの、今回の地域大会には間に合わなかった。

誰よりも夏天を憎んでいるのは彼女だった。夏天を生きたまま食い千切りたいほどだった。

今回、審判として来たのは三人だった。

L組の隊長である龍百川、于笑雲、そして葉家の長老である葉文海。

この三人は全て実力者であり、見かけだけの者ではなかった。

龍百川はL組の隊長で、配下にL組の隊員を一部隊持っていた。L組では、各隊員が天の寵児であり、彼がL組の隊長になれたのは、まず実力がそこにあったからだ。

于笑雲の地位は非常に高く、要人でさえ敬礼する存在で、彼が一言発すれば瞬時に一部隊を動かすことができた。

葉文海は葉家の長老で、葉家は大きな一族であり、しかもそれぞれがエリート中のエリートだった。千人以上の一族の中で長老はわずか十人しかいなかった。

各長老の身分は非常に尊重されていた。

彼らは葉家の代表であり、葉家の顔でもあった。どの都市に行っても専門の出迎えがあり、もし誰かが彼らに敬意を払わなければ、それは葉家に対して失礼になるのだった。

この時、葉文海の部屋の外に客が来ていた。

「葉老、彼女がまだ外で待っています」葉老の従者が言った。

「彼女はどのくらい待っているのか？」葉老が尋ねた。

「八時間です。既にコーヒーを十二杯飲んでいます」葉老の従者が答えた。

「入れてやれ」葉老は淡々と言った。