夏天という名前を聞いた時、冰川と胡列の二人は呆然としてしまった。
特に冰川は、夏天を信じられない表情で見つめていた。さっきまで夏天のことを尋ねていたのに、まさか今、目の前に立っているとは。しかも、共に戦いを繰り広げたのだ。
来る前に、彼は夏天についていくつかの話を聞いていた。ただし、それらは全て冰心の従兄から聞いた話だった。
彼はずっと夏天のことを、ただのちょっとカンフーができる程度の人物だと思っていた。今回来たのは、一つは冰心を連れ戻すため、もう一つは東北の人々の面子を取り戻すためだった。
前回、冰心の従兄が帰った時は、かなり惨めな状態だった。
だから今回彼が来たのは、主にその夏天という人物を見極めるためだった。
夏天に教訓を与えようと、様々な出会い方を想像していたが、このような形で出会うとは思ってもみなかった。二人が共に戦うなんて。