香港がDR10を世界安全機構に引き渡すというニュースを皆が聞き、この情報が出るや否や、各勢力が動き出した。
DR10は、島國の最先端兵器で、小型ながら威力は絶大だ。
この兵器はテロリストたちにとって寶物だ。もし彼らがこれを手に入れれば、小国と対抗できるほどの力を持つことになる。一時、各テロ組織が香港に人を派遣し、遠方の国々は護送機まで送り込んできた。
彼らは八個のDR10を狙っているが、香港政府が発見したのはそのうちの三個だけだった。それは夏天たちが救出した三個で、残りの五個はまだ偷天の手中にあった。
偷天は思い切って、大テロ組織たちに連絡を取り、直接香港市での受け渡しを提案した。価格は以前の半額だが、運び出せるかどうかは偷天の関知するところではないとした。
偷天の名声は相当なもので、皆が彼の信用を信じていた。