第375章 大量の達人が襲来

香港がDR10を世界安全機構に引き渡すというニュースを皆が聞き、この情報が出るや否や、各勢力が動き出した。

DR10は、島國の最先端兵器で、小型ながら威力は絶大だ。

この兵器はテロリストたちにとって寶物だ。もし彼らがこれを手に入れれば、小国と対抗できるほどの力を持つことになる。一時、各テロ組織が香港に人を派遣し、遠方の国々は護送機まで送り込んできた。

彼らは八個のDR10を狙っているが、香港政府が発見したのはそのうちの三個だけだった。それは夏天たちが救出した三個で、残りの五個はまだ偷天の手中にあった。

偷天は思い切って、大テロ組織たちに連絡を取り、直接香港市での受け渡しを提案した。価格は以前の半額だが、運び出せるかどうかは偷天の関知するところではないとした。

偷天の名声は相当なもので、皆が彼の信用を信じていた。

そのため、この五個のミサイルは価格が提示されるやいなや完売となった。偷天は五つの組織にDR10の保管場所をそれぞれ伝え、金を手にして密かに香港市を離れた。

「社長、今回は大きな損失でしたね」美しい女性が言った。彼女の隣には黒衣に黒い帽子をかぶった男が立っていた。

「損じゃない、損じゃない。死んだのは我々の部下じゃなく、金で雇った連中だ。我々は頭を使っただけさ」黒衣の男こそが伝説の偷天だった。島國の指名手配犯第一号の偷天が華夏人だとは誰も想像していなかった。

「社長、どちらへ?」美女が尋ねた。

「バカンスだ。今がちょうどいい時期じゃないか。他人が戦っているのを見ながら、別荘でワインを飲むのさ」偷天は微笑んだ。

「はい、お好きにどうぞ」美女は偷天に従って香港市を離れた。

五つの勢力は各々香港市に人を送り込み、五個のDR10は密かに運び出されようとしていた。多くの人々の注目は三個のDR10に集中していた。五個のDR10の阻止は困難だが、三個の方は簡単だった。江海市は大量の警察力を投入するが、各勢力も相当数の人員を派遣していた。

島國も大部隊を派遣してきた。華夏がDR10を返還しないなら、奪うしかないと考えたのだ。

島國は一夜のうちに、超上忍二名、特別上忍四名、上忍八名、特別中忍百名を派遣した。香港市での銃器の持ち込みは困難なため、特殊部隊の精鋭、忍者大軍を動員したのだ。