第374章 瞬身の術

「このやろう」冰川は夏天の側に来て、彼の肩を叩きながら言った。「よくやった」

「彼は冰心の兄だったのね。だから二人の様子がずっとおかしかったわけだわ」葉婉晴はようやく理解し、最初から今まで二人の間に多くの変化があった理由が分かった。

「おばさん、休みに戻るよ。今日は少し疲れた」夏天は二人に向かって言った。

「怪我してないの?」葉婉晴は疑わしげに夏天を見つめて尋ねた。

「もちろん大丈夫だよ、ただ少し疲れただけさ」夏天は確かに疲れていた。それに瞬身の術の研究もしなければならなかった。島國の達人たちは全員片付いたので、もうここに危険はなかった。

「首が」冰川は夏天の首に血痕があるのを見つけた。

「ああ、これか。かすり傷だよ」夏天は軽く笑った。それは沙比一川の短刀で切られた跡だった。