夏天は習慣があって、買い物をする時に透視眼を開いてぱっと見るのが好きだった。透視眼は霊気を持つ物を見ることができるからだ。さっき透視眼を開いた瞬間、彼は宝物を見つけた。
それは正面の大きな柱の後ろにあった。夏天の透視眼は柱を透かして見ることはできなかったが、横から漏れ出る霊気を感じて、これは良い物だと感じた。彼はこれほどの霊気を放つものが一体何なのか、とても気になった。
美女泥棒は夏天が前に歩いていくのを見て、仕方なく付いていった。
上半身の女王様もついていった。彼女は美女泥棒がどんな男を見つけたのか確かめたかったのだ。
彼女は美女泥棒を嘲笑う機会を逃すことはなかった。二人は以前は親友だったが、後に彼女が美女泥棒の彼氏を奪った。しかも五人も奪ったため、二人の関係は悪化する一方だった。
「ここだ」柱を回り込むと、夏天はカウンターを見つけた。カウンターは大きくなく、六平方メートルほどの大きさで、しかも場所も非常に辺鄙なところにあった。
通常、このようなショッピングモールにこんな場所があるはずがないのに、ここにはこのようなカウンターがあった。カウンターには女性ウェイトレスが一人いたが、テーブルに伏せて寝ていた。
明らかにここには客が全くいないようだった。
「こんなに安っぽいカウンターがあるなんて、店員は寝てるし、ふん」上半身の女王様は軽蔑的にここを一瞥した。
「すみません?」夏天はその覇王女を無視して、この店に不思議なところがあることに気付いた。それも大きな不思議だった。この女性ウェイトレスは他の店員とは全く違う服装をしており、むしろここにいる人々とは全く異なる服装だった。
そして、ここの商品は一つ一つに霊気があった。
「やっと客が来たわね。何を買うの?」不思議な女性ウェイトレスが尋ねた。
「商品について説明していただけますか?」夏天は非常に丁寧な態度で尋ねた。目の前のこの女性ウェイトレスが並の人ではないと感じたからだ。
「いいわよ。ここは香港ドルのみで、カード払いもOKよ。気に入った商品があったら言ってくれればいいわ」不思議な女性ウェイトレスが言った。
「ねえ、彼女にこんな物を贈るの?どう見ても露店の品物みたいじゃない」美女泥棒が前に出て言った。どう見てもここの物に良いところは見当たらなかった。