夏天の目に映ったのは、とても美しい脚だった。
「見飽きた?」その美女が不満そうに言った。
「へへ」夏天は照れくさそうに頭を掻いた。「学科長を探しに来たんですよね?中には誰もいないみたいで、ずっとノックしてたんですけど」
「ふん!」美女は夏天を睨みつけると、そのまま入り口まで歩いていき、バッグから鍵を取り出して事務室のドアを開けた。
夏天は呆然と美女を見つめていた。まさかこの美女が自分の学科長だとは夢にも思わなかった。こんなに美しい学科長がいるなんて。
夏天はすぐに後を追った。
バン!
ドアが閉まり、夏天の鼻に直撃した。
「いってぇ、そこまでする必要ないでしょ」夏天は文句を言った。学科長が仕返しをしているのは分かったが、あまりにも意地が悪すぎると感じた。ただ数回見ただけなのに、ドアで殴ってくるなんて。