第319章 カッコつけるのは3秒まで

建安市。

この時、建安全体が郊外からの轟音を聞いた。

無数の人々が目を覚ました。

郊外に近い住民たちは、空に金色の光を微かに見ることができた。

多くの人が驚きの声を上げる中、二つの金色の光が市街地へと移動してくるのを目撃した。

「寇邊疆、我らを去らせよ。さもなくば今日この街を皆殺しにする!」

一声の怒号が、全ての人々を震撼させた!

「皆殺し!」

今まではテレビでしか聞いたことのない言葉が、初めて建安の人々の耳に鮮明に届いた。

これは絕頂の強者たちの戦いだ!

「邪教武者だ!」

すぐに誰かが気付き、恐怖に襲われた。街全体が混乱し始めた。

……

全力で走っていた方平も、その八品邪教強者の怒号を聞いた。

先ほどまで気付かなかったが、今見ると、相手は寇邊疆を市街地へと誘導していた。

そして後方の戦いは、まだ終わっていなかった。

八品が七級を倒すのは、そう簡単なことではない。田牧が全力で戦っていても、相手を倒すにはまだ時間がかかるだろう。

「どうしよう?寇おじいさんは相手を抑えきれないみたいだ。もし市街地に来たら……」

二人の八品強者が全力で戦えば、市街地に来た時には大変なことになる。

建安は大都市ではなく、強者も多くない。せいぜい六級が数人いるくらいだ。

八品強者が襲来すれば、防ぎようがない。

「俺はまだ四級だ……耐えられないぞ!」

方平は途方に暮れた。この状況では、気血が無限でも役に立たない。寇おじいさんが相手を止めるのを祈るしかない。

方平が全力で走っている時、前方で人影が一瞬現れた。方平は考える間もなく、拳を振り上げた!

「俺が!」

方平は拳を引っ込めなかったが、空を切っていた。

李じいさんは無駄口を叩かず、彼の首を掴んで一瞬で前方へ飛び出した。

「小僧、大仕事をやってみないか?」

「李さん、なぜここに?」

「無駄話はやめろ。大仕事をやるか、やらないか?」

「どうやって?」

「寇邊疆のじいさんは年老いて体力が衰え、役立たずになった。相手を止められないかもしれん。邪教が横行しているのも、こういうことが関係している。人が多すぎて、我々は思い切った行動が取れない……

だが、奴の不運は李長生に出会ったことだ!」

李じいさんは自慢げに言い、笑って続けた。「お前の精神力は弱くない。少し借りてもいいか?」