第320章 ちょっと見るだけ

「それは他人が倒したものだ。他人の戦利品だ。ルールを知らないのか?」

李じいさんは叱りつけた。

方平は気まずそうに言った。「ちょっと見るだけです。七級強者の宝物なんて見たことないから……」

「七級なんて貧乏人だ」

李じいさんは口を尖らせて言った。「武器を使う者は少ない。長年の修練がない限り、素手で戦う確率の方が高い。丹薬に関しては、普通の丹薬は使えないし、本当に高級な丹薬は買えない」

「それはどうかな。先生、行きましょうよ。見に行きましょう。ただ見るだけですから……」

李じいさんはこの言葉を聞いて、どうも信用できないと感じた。まるで男が女に「ちょっと触るだけ」と言うのと同じだった。

方平の執着に負け、李じいさんは彼を連れて田牧が戦った場所へ飛んでいった。

……

「あれは奴だ!」

胸を貫かれた死体を見て、李じいさんは眉をしかめた。

方平はちらりと見て、小声で尋ねた。「ご存知の方ですか?」

「何度か会ったことがある。死んだと思っていたが、まさか生きていて、しかも突破していたとは」

李じいさんは眉をひそめて言った。「天南武道大學の元副学長だ……」

方平は一瞬驚き、小声で言った。「では天南地下洞窟の件は……」

李じいさんは少し頭を痛めながら、考え込んで言った。「詳しくはわからない。後で調べてみよう。もう死んでしまったが、身元が判明した以上、天南武道大學側にも多少の問題が出るかもしれない」

「天南武道大學には私の同級生が何人かいるんですが」

「大丈夫だ。おそらく、今の天南武道大學の一部の人々に問題があったとしても、すでに撤退しているはずだ」

これだけの騒ぎになれば、邪教の上層部もこれが罠だと気付いているだろう。出手した強者たちが命を落とした今、彼らと関係のある者たちは撤退するか、口封じされているはずだ。

方平は何も言わず、しゃがんで相手の胴体を叩いてみた。コンコンという音が響いた。

「七品境に入ったばかりで、まだ金身を成就できていなかった。致命傷は胸ではなく、精神が磨滅されたのだ」

李じいさんは続けて言った。「八品強者なら、金身が一番価値がある。金身が磨滅されていなければ、持ち帰って神仙として祀っておけば、千年後には復活する可能性もある」