葉辰の耳元には次々と値段が響いていた。
わずか5分で4億に達した。
ほとんどの人がこの百草鼎を目当てに来ていたことがわかる。
もし後に更に重要な競売品がなければ、場面はさらに制御不能になっていただろう。
葉辰は目を細め、直接金冷雁にメッセージを送り、百草鼎を落札するよう指示した。
ステージ上で、メッセージを見た金冷雁の口元に極めて魅惑的な笑みが浮かんだ。
「ついに動いたわね。この百草鼎を絶対に手に入れたいようね。あなたの背後にいる煉丹師が落札を命じたのかしら?」
金冷雁はもちろん葉辰が煉丹師だとは思っていなかった。
こんなに若くて、どうして煉丹という学問を理解できるだろうか?
「4億3000万!」
「4億4000万!」
……
価格はまだ上がり続けていたが、値をつける人はもう少なくなっていた。