第303章 痛烈な代価(2番目)

「葉さまと華夏武道局には多少の因縁があると承知しております。この身分があれば、華夏武道局も少しは警戒するでしょう」

「葉さまにお願いするしかありません」

項承東は興奮して言った。彼は今回、藥王谷で葉辰と手を組まなければ、華夏藥同盟には未来がないことを十分理解していた!

華夏藥同盟には、もはや希望がないのだ!

それに比べれば、趙師匠の三品丹藥の錬製など取るに足らないものだった!

葉辰は少し考えてから承諾した。「わかりました。ただし、私は藥盟のために何もしませんし、いつでも離れることができます」

今は修行のために大量の薬材が必要で、華夏藥同盟との関係を築くのは悪くない。

それに名目だけの話だし、あってもなくてもいい。

しかし葉辰は知らなかった。華夏藥同盟には絶対的な実権を持つ職位が二つしかないことを!

その一つが理事長!

そしてもう一つが、藥盟の首席顧問だった!

項承東は葉辰が承諾したのを見て、目に特別な輝きを宿した。

藥盟には、チャンスが訪れたのだ

……

葉辰は丹房を出た。本来は薬材を少し採取するだけのつもりだった。

今や藥盟首席顧問の名を借りたからには、遠慮はいらない。

猛烈な略奪を始めた。

この光景を見た藥盟の人々は、驚きのあまり口を開けたまま呆然としていた。

「ああ、修羅の花も葉さまに一株持っていかれた。残りは三株だけだ」

「大変だ、斷魂草も持っていかれた!」

「見てくれ、あの隅にある藥王谷に一株しか残っていない清月人參まで見つけられてしまった。くそっ、これは我々の藥王谷が百年近くかけて育てたものなのに!」

藥盟の職員たちは次々と報告に行ったが、項承東はただ一言!

「葉さまの藥王谷での行動は一切妨げてはならない!違反者は華夏藥同盟から追放する!」

この一言は、非常に重みのある言葉だった!一般の職員たちには到底耐えられないものだった!

一時、皆が葉辰の身分に興味を持ち始めた。

彼らはただ、葉辰が一株また一株と極めて貴重な薬材を持ち去るのを、なすすべもなく見ているしかなかった。

十五分後、葉辰は満足して去っていった。

朱雅を探したが姿が見えず、休憩エリアにいるのだろうと推測した。

幽霊刑務所の情報を得たので、もはや藥王谷に留まる必要はなかった。