言い終わると、安素山は葉辰に向かって歩み寄り、問いただした。「若いの、私は徽安省の安素山だ。私の娘とお前の友人が頼んでいるからには!約束しよう、そのものを私に渡せば、私、安素山が部下に命じて徽安省の外まで送らせる!安全は保証する!」
威厳はあったものの、その目に宿る熱い光が彼の本心を露呈していた!
古武術家なら誰もが、葉辰の持つ宝物を狙っているのだ!
群衆の中央に立つ葉辰は、安素山を一瞥し、困惑した表情の朱雅と安若影を見やると、首を振って冷ややかに言った。「友人のためだ。今すぐ立ち去れば、生かしてやる。」
この言葉に、安素山だけでなく、その場にいた全員が呆然とした!
まるで夢を見ているかのように、先ほど何が起きたのか疑問に思った。
この若造は死に体なのに、逆に安素山を脅すとは?