江姵蓉は急いで駆け寄り、葉辰を支えながら心配そうに尋ねた。「辰兒、大丈夫?」
葉辰は首を振り、静かに言った。「母さん、私が渡した符紙を覚えてる?後でこいつを引き付けておくから、外に逃げて。幽霊刑務所の出口は開いてる。誰かに止められたり、何か変わったことが起きたら、私が渡したものを使って」
「あなたは?辰兒、どうするの?」
江姵蓉はその謎めいた老人の強さを感じ取ることができた。
その実力は息子をはるかに上回っていた。
家族が再会したからには、一緒に立ち向かわなければならないものもある。葉辰の肩に全てを背負わせるわけにはいかない。
葉辰は目を凝らし、冷笑しながら言った。「心配するな。俺を殺そうとする奴らがいても、そう簡単にはいかないさ」
そう言うと、体を動かし、遠くにいる謎の老人を睨みつけた。
「この老いぼれが、法器を壊したのは俺だ。お前の部下を殺したのも俺だ。それがどうした!」
葉辰の心の中で怒りが渦巻いていた。
「大人、この小僧は手段が奇怪です。宝物を持っているに違いありません。必ず殺さねばなりません」
趙雲生は興奮して言った。
その時、冷たい声が部屋中に響き渡った。「お前は話が長すぎる」
次の瞬間、風刃が襲いかかった!
「俺の部下を、お前も殺そうというのか。笑わせるな!」
謎の老人が袖を振ると、風刃は粉々に砕け散った!
彼の目には、蟻のような存在が目の前でこのような行為をすることは極めて滑稽に映った!
彼が守ろうとする者は、閻魔大王でさえ連れて行くことはできない!
風刃が破壊されても、葉辰は少しも落胆せず、むしろ口元に奇妙な笑みを浮かべた。
趙雲生は自分の身の安全を確認すると、顔を歪め、何か言おうとした瞬間、一筋の剣意が空を切って飛んできた!
その速さは極限に達していた!
壁に刺さっていた斬龍剣だった!
斬龍剣は普通の兵器ではなく、靈器であり、彼の血で主を認め、彼の操る剣となっていた!
風刃は単なる目くらましに過ぎず、彼が本当に使おうとしていたのは斬龍剣だったのだ!
趙雲生は目を見開き、斬龍剣が自分の首を切り裂くのを目の当たりにした!
彼の頭は地面に転がり落ち、顔は歪み、目は見開かれたままだった。
血が地面に流れ出した。
「俺が奴を殺したいと思えば、必ず死ぬ」