江姵蓉は急いで駆け寄り、葉辰を支えながら心配そうに尋ねた。「辰兒、大丈夫?」
葉辰は首を振り、静かに言った。「母さん、私が渡した符紙を覚えてる?後でこいつを引き付けておくから、外に逃げて。幽霊刑務所の出口は開いてる。誰かに止められたり、何か変わったことが起きたら、私が渡したものを使って」
「あなたは?辰兒、どうするの?」
江姵蓉はその謎めいた老人の強さを感じ取ることができた。
その実力は息子をはるかに上回っていた。
家族が再会したからには、一緒に立ち向かわなければならないものもある。葉辰の肩に全てを背負わせるわけにはいかない。
葉辰は目を凝らし、冷笑しながら言った。「心配するな。俺を殺そうとする奴らがいても、そう簡単にはいかないさ」
そう言うと、体を動かし、遠くにいる謎の老人を睨みつけた。