第443章 やむを得ない!(8/10)

言葉が落ちると、葉辰の手にある斬龍剣が微かに震え、体内の龍吟が体を破って出そうになった。

彼の周りには天道が無限で、人道が蟻のように卑小な感覚が生まれた。

武道臺の下で、全ての人々は林絕龍の天を覆う剣意の下で沈黙し、感嘆の声を上げていた!

しかし、誰も葉辰に注目していなかった。

なぜなら、葉辰は彼らの目には、ただの息も絶え絶えの蟻のような存在でしかなかったからだ。

「この葉辰も一方の天才だったのに、惜しいことに、修行わずか五年。あの林絕龍は数十年も修行を積み、無数の資源を投じられた天才なのに……」

「剣勢を凝縮できる天才と出会えば、葉辰はあまりにも小さく見える。」

「この場でこの一撃を防げるのは百里雄だけだろう。」

「ふん、誰が彼にそんなに傲慢になれと言った?林絕龍を軽視するとは!死んで当然だ、絶対に死罪に値する!」

武道臺の下で、議論が飛び交った。

江姵蓉は駆け上がろうとしたが、目に見えない威圧に阻まれているのに気付いた。

彼女の手のひらは汗でびっしょりだった。彼女は息子とたった数日しか過ごしていないのに、本当に葉辰に何かあってほしくなかった!

夏若雪と孫怡は顔色が蒼白で、唇を強く噛みしめ、血が出ても気付かないほどだった。

百里雄は様子がおかしいと感じ、飛び出そうとしたが、一本の痩せこけた手が彼の肩を押さえるのを感じた。

「お前は公的な立場の者として、より一層武道臺に介入してはならない。」

百里雄の瞳に怒りが閃いたが、握り締めた拳を開いた。

「分かりました。」

「それと、北部の国境で謎の勢力が華夏人を虐殺している。武道臺はもう見なくていい、結果は明らかだ。鉄血営を率いて鎮圧に向かえ、これはあの方の意向だ。」

百里雄の瞳が縮んだ。何かがおかしいと感じた。なぜこのタイミングで北部勢力の鎮圧に向かわせるのか?

しかし、痩せこけた老人の手にある文書にはあの方の印が押されていた!

しかも、この痩せこけた老人は華夏の守護者の一人なのだ!

彼を騙すはずがない。

「早く行け、一秒遅れれば、百人の華夏市民が死ぬかもしれないぞ!」

百里雄は武道臺上の葉辰を一目見て、歯を食いしばりながら、外へと向かった。

百里雄は全く知らなかったが、彼が去った後、その痩せこけた華夏の守護者の口元に残忍な笑みが浮かんでいた。