葉淇はうなずき、ガイドに従って試着室に向かった。
ウェディングドレスを着るのは非常に複雑で、このドレスはふわふわで大きく、3、4人がかりで葉淇に30分かけてようやく着せることができた。
この間、景言深はずっとソファに座って葉淇を待っていた。
ガイドが葉淇を連れて出てきた瞬間、景言深の黒い瞳に驚きの光が走った。
目の前の葉淇は純白のウェディングドレスを着ており、スカートには白いチュールがびっしりと施され、彼女の背の高くしなやかな体型を引き立てていた。
彼女の容姿は清楚で絶世の美しさを持ち、顔立ちは繊細で、額に数本の髪が落ちかかり、さりげなくも艶やかだった。
首にはダイヤモンドのネックレスをつけており、照明の下で眩しく輝き、葉淇の肌を雪のように白く、夢のように幻想的に見せていた。
景言深は感嘆して言った。「葉淇、白が本当に似合うね!」
純白のウェディングドレスが、彼女の美しさを極限まで引き出していた。
幼い頃から美人を見慣れている景言深のような男でさえ、感嘆せずにはいられなかった。
ガイドが横で笑って言った。「そうですね、私も葉さんほど美しい女性を見たのは初めてです!」
葉淇はさらりと言った。「いいわ、これにしましょう!」
「かしこまりました。包装してお持ちします!」ガイドは非常に喜んで伝票を切りに行った。
外にいた陸厲沉はこの光景を見て、口角をゆがめた。彼は葉淇が白を着ると絶対に似合うと知っていた。
しかし、隣にいる景言深を見て、陸厲沉の心は何かを抉られたようだった。
この瞬間、彼ははっきりと感じた。彼女はもう彼のそばにいた葉淇ではないのだと。
彼女は本当に景言深と結婚するのだ……
いや、こんなことがあってはいけない。彼女は彼のものでなければならない。数ヶ月抑え込んでいた感情がこの瞬間に爆発した……
濃密な夜の闇が巨大なカーテンのように全てを覆い隠した。
いつの間にか空からまた雪が舞い始め、散る梨の花びらのように、ひらひらと落ちてきた。
陸厲沉は車を運転して海城アパートにやってきた。