崔銘が後悔するかどうかはともかく、夏智は有頂天だった。
彼から見れば、彼らは自業自得だ!
フン、誰が彼の姉を怒らせたのか、こんな報いを受けて当然だ。
崔銘が価格を上げたからには、夏星河も動き出すのは当然だった。
彼女は001の名義で崔氏に連絡を取り、このウイルスを攻略できると言った。崔銘は解決できる人がいると聞いて、もちろん喜色満面だった。
彼は夏星河にすぐに攻略するよう求め、この問題を解決さえすれば、すぐに金を払うと言った!
夏星河はさらりと一言返事をした。【2時間後に返事をします。】
「姉さん、あなたが001だったんですね!」夏智は夏星河の名前を見て、驚きを隠せなかった。「最近、T市に001という凄腕のハッカーが現れたって聞いたけど、まさかあなただったとは!」
「ええ、私よ。」夏星河は直接認めた。夏智に対しては、何も隠す必要はなかった。
夏智は突然、大きな達成感と優越感を感じた。
まるで突然、最も身近な人が大スターだと分かったかのような喜びだった!
傍らに神のような人物がいるという感覚は、本当にワクワクした。
しかし夏智も自分の鈍さを内心で罵った。もっと早く姉が001だと気づくべきだった。彼女以外に、そんなに凄い人がいるはずがない。
夏智は、この出来事の後、夏星河の名声がどれほど大きくなるか予想できた。
今回崔氏を助けることで、彼女は一躍有名になるだろう!
しかし夏智は潜在的な問題も思いついた。「姉さん、彼らはウイルスがあなたの作ったものだと疑わないかな?」
結局のところ、誰も攻略できないウイルスを、001だけが解決できるというのは、疑われても仕方がない。
夏星河はパソコンを見つめ、両手でカチカチとキーボードを打ちながら、まばたきもせずに言った。「疑われてもどうだというの?」
「彼らがあなたを疑えば、崔銘はあなたを許さないよ。」
「私が誰か突き止められない限りね。」夏星河の口調は自信に満ちていた。彼女のこの冷淡な性格を知らなければ、夏智はこの答えを傲慢だと思っただろう。
しかし、彼女には傲慢になる資格があった。
姉はただ適当にウイルスを作っただけなのに、崔氏のあれだけの人間が攻略できなかった。だから彼女の身分を突き止めるのは、本当に難しいはずだ。
それに崔銘も銀行情報を通じて夏星河を見つけることはできない。