「私たちは手がかりを辿って内通者を見つけ出しました。昨夜彼女がこのことに気づかなければ、今回は大変なことになっていたでしょう。彼女が私に気づかせてくれたおかげで、こんなに早く内通者を捕まえることができました。」
そう言って、席牧白は誇らしげに夏星河を見つめた。
彼は彼女を誇りに思っていた。
席おじいさんたちは驚いて目を見開いた。
誰も、席家の今回の危機を解決した人物が夏星河だとは思っていなかった。
しかも、彼女はそれをこんなにも簡単に解決してしまった。
席家の多くの人々が思いつかなかった問題を、彼女はすぐに見抜いたのだ。彼らが今回の危機を乗り越えられないのではないかと心配していたのが馬鹿らしく思えた。
特におじいさんは、面子を捨てて人に頭を下げたというのに!
結局、誰かに頼む必要など全くなかったのだ……