第355章 席家の人々を魅了した

「私たちは手がかりを辿って内通者を見つけ出しました。昨夜彼女がこのことに気づかなければ、今回は大変なことになっていたでしょう。彼女が私に気づかせてくれたおかげで、こんなに早く内通者を捕まえることができました。」

そう言って、席牧白は誇らしげに夏星河を見つめた。

彼は彼女を誇りに思っていた。

席おじいさんたちは驚いて目を見開いた。

誰も、席家の今回の危機を解決した人物が夏星河だとは思っていなかった。

しかも、彼女はそれをこんなにも簡単に解決してしまった。

席家の多くの人々が思いつかなかった問題を、彼女はすぐに見抜いたのだ。彼らが今回の危機を乗り越えられないのではないかと心配していたのが馬鹿らしく思えた。

特におじいさんは、面子を捨てて人に頭を下げたというのに!

結局、誰かに頼む必要など全くなかったのだ……

よく考えてみれば、夏星河が思いついたことはそれほど難しいことではなかった。

彼らが物事を複雑に考えすぎていただけだった。敵が段階的に彼らを攻撃してくると思っていたが、実は敵は席家を一気に潰そうとしていて、息つく暇も与えるつもりはなかったのだ。

また、敵がこれほど露骨に彼らを陥れようとするとも思っていなかった。

もし夏星河が事前に気づいていなかったら、今回の席家は油断のせいで大きな痛手を負うところだった。

今日の封少煌の傲慢な態度を思い出すと、もし席牧白が彼に捕まっていたら、どんな事態になっていたか分からない。

席牧楠が捕まり、席牧白も捕まれば、席家は本当に大打撃を受けていただろう。

その結果は想像もつかないほど悪いものになっていたはず……

幸い、夏星河が相手の行動を事前に予測し、今回の危機を回避することができた。

席おじいさんたちは今でも恐ろしさを感じながら、夏星河を見る目が明らかに変わっていた。

前回、夏星河が人工義肢を作り出して彼女の能力を見せつけ、彼らが彼女を侮れなくなったとすれば。

今回は、彼らは完全に彼女への偏見を捨て去った。

むしろ彼女に感謝し、好意を持つようになった。

席おじいさんは綺麗事は言わず、ただ頷いて言った。「よくやった。お前たちは皆よくやった。星河もよくやってくれた。席家に大きな恩を施してくれた。今回は本当にお前のおかげだ。」