第356章 帰宅

誰もがそう思っていた。

もし封家の弱みがそんなに簡単に掴めるのなら、今日まで続いてこなかっただろう。

「いずれにせよ、今回は我が席家と彼らは決着をつけなければならない!今からは封家に警戒を怠らず、彼らの罪証を全力で集めるのだ!」席おじいさんは威厳を持って言った。

全員が頷いた。夏星河は頷かなかったが、彼女も封家を見逃すつもりはなかった。

彼女がまだ夏夢だった頃、封少煌に苦しめられただけでなく、今度は席家まで潰そうとしている。

席家には彼女が大切に思う人がいる……

だから、彼を許すわけにはいかない。

話し合いが終わると、皆は解散した。

席江年は当然急いで席牧楠の様子を見に行った。

夏星河も帰ろうとした。叔父と智ちゃんに会いに行くのはずいぶん久しぶりだった。

「行こう、送っていくよ」席牧白は思いやりを込めて言った。本当は引き止めたかったのだが、夏星河が久しぶりに帰宅するのだから、彼女の決定を尊重せざるを得なかった。

夏星河も断らず、彼の車に乗り込んだ。

席牧白は夏夢から預かったブラックボックスを夏星河に渡した。

道中、夏星河はずっとそれを調べていた。

「これは本当にエネルギーの一種なのか?」席牧白はちらりと見て、不思議そうに尋ねた。

「分からない。よく研究してみたい」夏星河は淡々と答えた。

「そうか。実験室で研究しよう。君専用の実験室を用意させて、誰にも邪魔されないようにする」

夏星河は少し考えてから頷いた。「それがいいわね」

席家研究所は最新の設備が整っていて何でも揃っている。そこで研究するのが一番いいだろう。

「でも気をつけて。封少煌にこれを持っていることを知られないようにね」席牧白は心配そうに注意した。

それは言われなくても、夏星河は分かっていた。

席牧白も彼女の慎重さと能力を信頼していたが、それでも彼女のことが心配だった。

「一緒に住まないか」彼は突然提案した。「もともと封家に対抗するために協力する関係だし、この先危険な目に遭うかもしれない。一緒に住めば、安全は保証できる」

夏星河は首を振って断った。「大丈夫よ、何も起こらないわ」

「でも……」

「必要になったら、承知するわ」

席牧白は口元を緩めて笑った。「分かった」