第456章 違和感に気付く

「どうやって取り戻したのか?」フィリップが尋ねた。

バロンは直接答えた。「まず彼らの基地を見つけ出し、それから軍隊を出動させて奪い返しました。」

「つまり、彼らの基地の場所を知っているということか?」

「……はい!」今回のバロンの返事には、少し躊躇いが感じられた。

彼は具体的な場所を知らなかった。チャールズだけが知っていた。彼はただ部下を率いて、途中で武器を奪い返しただけだった。

フィリップは威厳のある眼差しで彼を見つめ、すぐに尋ねた。「基地はどこにある?」

「将軍、なぜそのようなことをお尋ねになるのですか。何か起きたのでしょうか?」バロンは質問に答えず、逆に尋ねた。

「素直に答えろ。いつから逆に質問する立場になったのだ?!」

「はい!」

フィリップは再び鋭く尋ねた。「では、基地はどこにある?」

バロンの目が一瞬揺らぎ、正々堂々と言った。「将軍、私は基地の具体的な場所は存じません。当時潜入した者だけが知っています。しかし、その者は重罪を犯し、現在は監獄に収監されています。休憩室でお待ちいただければ、その者をお連れしてまいります。」

フィリップは彼を一瞥し、それ以上は問わず、わずかに頷いた。「では早急に連れて来い。いかなる過ちも許さん。さもなければ軍法で処置する!」

「はい!」バロンは大声で約束し、緊張しながら車のドアを開けた。「将軍、どうぞ休憩室へ。」

フィリップはゆっくりと車から降り、その体格は非常に大きく威厳があった。

車内の黒服の男は反対側から降りた。

彼も同様に背が高かったが、バロンは依然として彼の容貌を見分けることができなかった。

彼はその人物が誰なのか気になったが、尋ねる勇気もなく、じっと見つめることさえできなかった。

フィリップが彼を紹介しなかった以上、余計な口出しはできない。

しかし、フィリップの彼に対する態度が良好なことから、その身分が並々ならぬものであることは推測できた。

ただ、誰なのかは分からなかった。

バロンは副官に彼らを休憩室へ案内させ、彼らが遠ざかるのを見届けると、急いで数人を連れて監獄へ向かった。

夏星河はバロンが監獄の方向へ向かうのを見て、すぐに山禾たちに通知した。

「バロンが来た。黎亞とオオカミさんは早く隠れろ。山禾と柯瑞は身分を露呈しないように気をつけろ!」