第56章 また遊んだら俺はお前の孫し

方景奇の顔が赤くなり、自分の油断を内心で恨むとともに、韓森の狡猾さを密かに罵った。

  韓森が雪夕にこんな下品な話をするなんて、だからこそ彼は怒って気が散ってしまい、韓森に隙を突かれてしまったのだ。

  「また1万だ。記録しておけ」韓森が雪夕に言った。

  「もう一回」方景奇はまた手を差し出した。

  韓森が手を置いた後、前回と同じように、また雪夕に言った。「また可愛い子犬がいて、十分な水と食べ物を用意して砂漠に旅行に行ったんだ。今回も電柱を見つけたんだけど、最後にはやっぱり死んでしまった。なぜだか分かる?」

  「なぜ?」雪夕は今回真剣に考えてみたが、答えが思いつかなかった。

  「僕が君に聞いているんだよ」韓森はもはや方景奇を見ず、顔を向けて雪夕を見ながら言った。

  「わからないわ」雪夕は甘えるように言った。

  「しょうがないな、教えてあげよう。それは電柱に看板が掛かっていて、そこには大小便禁止と書いてあったからだよ。だから可愛い子犬はまた我慢しすぎて死んでしまったんだ」

  「プッ!」雪夕は思わず笑い声を上げた。

  方景奇はこれが韓森が彼の気を散らそうとしているのだと分かっていたが、韓森が雪夕を見ていて、全く彼を見ていないのを見て、急いで韓森に言った。「結局お前は話をするつもりなのか、それとも...パチッ...」

  言葉が終わらないうちに、韓森の手のひらがまた彼の手の甲を打った。連続して3回打ち、方景奇の手の甲はすでに真っ赤になっていたが、方景奇の顔は手の甲よりもさらに赤かった。

  「もう一回」方景奇は歯を食いしばって手を再び韓森の前に差し出した。

  韓森は姿勢を整えると、また雪夕に話を始めた。「また可愛い子犬が砂漠に旅行に行ったんだ。今回は十分な水と食べ物を持って行って、電柱も見つけた。電柱には何の看板も掛かっていなかったのに、最後にはやっぱり死んでしまった。なぜだか分かる?」

  方景奇は今回完全に我慢して韓森を見ず、話もせず、心の中で決意を固めた。韓森がどんなに誘惑しても、彼は心を鉄のように固め、ひたすら韓森の手首を見つめ、韓森にいかなる隙も与えまいと決めた。