第153章 笑えた破滅者号

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黒鷹軍事学校でも、多くの学生が方明全の生配信を見ていた。全ての試合を見られるわけではないので、他の会場にいる学生たちも方明全の配信を通じて、戦甲の試合を見守っていた。

ただし、ほとんどが方明全という名前に惹かれて来ていた。軍事学校の学生の大半は第一避難所の出身で、方明全という名前をよく知っていたからだ。

紀嫣然は神の手の試合エリアにいたため、韓森の試合を直接見ることができず、配信を通じて戦甲の試合を見ていた。

「方明全さん、大げさすぎじゃない?支配的な選手だなんて、うちの学校にそんな選手いないでしょ?」紀嫣然の隣にいた曲麗麗が不満げに言った。

紀嫣然も笑って言った。「ニュースを作る人はみんな同じよ。大げさに言うのが好きなの。方明全さんも例外じゃないわ」

紀嫣然は配信映像の中で韓森の姿を探しながら、方明全による選手紹介が少し気になっていた。

「新入生、弓道部、重型装甲部...これって、あのカンニング野郎と全く同じじゃない。まさか彼のことを言ってるの?」紀嫣然は不安な気持ちになった。

しかし、画面上で韓森を見つけることができず、韓森が今どの戦甲を操縦しているのかもわからなかった。彼女の視線も他の人々と同様に、あの破滅者号に注がれていた。

観客の熱い議論が続く中、戦甲競技の最初の種目が始まった。これは戦甲競技の中で最も直接的なスピード競争で、一万メートルの環状コースでの競走だった。

全ての戦甲がスタート地点に集まり、合図を待つばかりとなっていた。

方明全の紹介により、誰もが方明全の言及した選手は破滅者号の操縦者だと思い込み、全ての目がその戦甲に注がれていた。紀嫣然も心臓の鼓動を速めながら破滅者号を見つめていた。

笛の音が鳴り響き、皆の注目の中、破滅者号は他の機甲と共に最初の一歩を踏み出した。全員が破滅者号の動きを見守っていた。

しかし次の瞬間、たった一歩進んだだけの破滅者号がドスンと地面に転倒し、場内は一瞬にして不気味な静けさに包まれた。

「これが方明全の言う支配力のある選手?」

「これって冗談?」

「ハハハ、もう無理!」

「方明全さん、コメディアンに転職したほうがいいんじゃない?」

「あの破滅者号がもったいない!」

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