第260章 頭脳を射落とす

PS:蓬宗が舵取りに昇進したことを記念しての追加更新です。

この世界で最も防ぎにくい矢は不意打ちの矢である。数多くの勇将が不意打ちの矢に倒れてきた。中央軍校の5人の選手は、自分たちの背中が敵の矢の標的になっていることにまったく気付かず、まだ石山を登っていた。

突然!

幾筋もの冷たい光が空を切り裂き、石山に向かって飛んできた。中央軍校には5人いたが、これらの矢の標的はただ一人だけだった。

秦城、中央軍校のナンバー2であり、実質的に中央軍校の第二の核となる人物だ。

秦城は京極霧ほど輝かしくはないかもしれないが、チームへの貢献度で言えば、決して京極城に劣ることはない。

戰甲指揮系の出身であるため、秦城は強力な個人の実力だけでなく、優れた大局観と指揮能力も持ち合わせている。秦城がいるからこそ、中央軍校は真の王者チームとなれるのだ。

秦城がいてこそ、京極霧は自分の戦闘力を解放し、他のことを気にせず戦闘に専念できる。

言い換えれば、秦城のいない中央軍校は依然として強力ではあるが、それは単なる強力なスター軍団に過ぎず、無敵の王者軍団とは言えない。

司徒香の計画は、最初から京極霧ではなく、チームの頭脳である秦城を標的にしていた。

一つには京極霧の個人実力が強すぎて、このような不意打ちが成功する保証がないこと。二つ目は秦城を排除することが、黒鷹にとってより大きな戦略的意味を持つからだ。

「気をつけろ!」矢が秦城に届く前に、京極霧はすでに気付いていたが、救援するには遅すぎた。秦城に向かって大声で叫んだ。

秦城の反応は極めて素早かった。矢術の試合では、相手の矢に物を触れることは禁止されており、避けるか自分の矢で反撃するしかない。それ以外の方法で相手の矢に触れると、即座に失格となる。

相手の矢は秦城の退路をすべて封じており、明らかに秦城を先に倒そうとしていた。秦城はもはや退くことができない。

「シュッシュッシュッ!」秦城は弓を手に取り、目は矢のように鋭く、瞬時に三本の矢を放った。三本の鋭い矢が飛び出し、彼の目前まで迫っていた三本の矢を見事に打ち落とした。

「秦城、見事だ!」中央軍校のコーチは外で力強く拳を振り上げ、秦城のような選手を持てることは、コーチとしての幸運だと深く感じた。