ノラの特効薬!

栗原愛南は困惑して写真を見つめた。

写真には、彼女と栗原奥様が海辺にいた。

二人とも白いドレスを着ていて、彼女が前で、栗原奥様が後ろにいた。二人とも明るく笑っていて、確かに仲の良い母娘のように見えた。

でも彼女には白いドレスなんてない…

中学生の時に栗原家を出てからは、栗原奥様にも会っていないのに、どうして一緒の写真があるはずがあるのだろう?

彼女は携帯を手に取り、写真を拡大してみた。

すると、いくつかの手がかりが見つかった!

この写真は合成されたものだったのだ。技術はかなり素人っぽく、おそらくネットで見つけた母娘の写真に、彼女と栗原奥様の顔を貼り付けたものだった…

彼女はおばあさんを見て尋ねた。「これはいつおばあさんに送ったの?」

おばあさんは首を振った。「覚えていないわ。」と言った。

「じゃあ、どうやって送ったんだ?メール?それともメッセージ?」

おばあさんは再び首を振った。「思い出せないわ。」と言った。

栗原愛南は言葉を失った。

おばあさんは時々驚くような言葉を口にするのに、肝心なところがはっきりしない。彼女はとても困惑した。

しかし、おばあさんの態度は非常に断固としていた。「孫の嫁よ、彼女はあなたのお母さんなのよ。お母さんを無視してはいけないわ…」

できることなら、彼女は本当に栗原奥様が自分の母親だったらいいのにと思った…

栗原愛南は目を伏せ、その中の苦さを隠した。「…わかった。」と言った。

彼女はおばあさんを病室まで送った。

森川北翔は部屋に入らず、廊下に立っていた。

紀田亮がすぐにやってきた。「社長、調べがつきました。栗原さんはまたあのレストランでアルバイトをして、そこで栗原家の人々に出くわしたようです…」

彼女が帰宅してシャワーを浴びて着替えたのは、彼氏とデートに行ったのかと思っていたのに!

森川北翔の唇の端に、かすかに気づかれない程度の弧を描いた。彼の声は冷たく響いた。「森川グループが彼女に支払っている給料は少ないのか?」