栗原愛南は招待状をスタッフに渡した。「入れますか?」と尋ねた。
スタッフはそれを見ただけで、すぐに恭しく「どうぞお入りください。」と言った。
森川辰はこの言葉を聞いて眉をひそめた。「どうして招待状を持っているんだ?」
彼は一歩前に出て、栗原愛南の携帯を見ていた。「まさか、他人の招待状を使ったんじゃないだろうな?ここは全て実名制だぞ!」
そして、招待状の名前を見て、彼は呆然とした。
このような業界の宴会では、招待状には通常、招待された人の会社と役職があるはずだ。
江口亜英の招待状は、主催者が森川グループの面子を立てて彼に送ったものでなく、彼の影響力を見込んで送ったものだった。
ただし、彼が森川グループにいるため、勤務先が追加されただけだった。
しかし、一部の人々は、身分が複雑であったり、名声が十分に大きいため、役職が書かれていない場合もある。