栗原愛南は下腹部に鈍痛を感じたが、我慢できる程度だった。
彼女は川内美玲の手首を掴んで言った。「トイレに行きたいんだけど」
「付き添うわ」
川内は彼女の腕を支えながら、トイレまで連れて行き、外で静かに待っていた。
しかし、心の中では不安でいっぱいだった。
愛南の顔色が青ざめ、額に冷や汗をかいているのを見て、本当に貧血かもしれないと思った。
…
その時、拘置所の面会室内。
広石若菜は笑顔で座り、取り入るように言った。「郁子、わざわざ会いに来てくれたの?」
そして続けて言った。「ここには来るべきじゃないわ。縁起が悪いから、避けたほうがいい」
彼女は心からの誠意を込めたが、栗原郁子からはただ淡々とした薄笑いが返ってくるだけだった。そして郁子は困ったような表情を見せた。
広石若菜はすぐに心配そうに尋ねた。「どうしたの?顔色が悪いわね。何かあったの?」