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井上斉子の言葉に、井上の両親は一瞬驚いた。「斉子、今は拗ねてる場合じゃないよ…」

しかし井上斉子は口を開いた。「彼女は私が死にそうな時に助けてくれた。今彼女が困っているのに、どうして離れられるの?海浜市のリハビリ施設も十分良いし、私はこの病院にいて、恩人さんが大丈夫になるまで待つわ」

井上の両親は顔を見合わせた。「でももし本当に栗原お嬢様が殺人を犯したとしたら?」

井上斉子は目に涙を浮かべた。「それでも待つわ。栗原お嬢様には親族も友達もいないから、毎週の面会日に会いに行くわ!そうしないと、みんな誰かに会えるのに、彼女だけ誰も来なかったら、寂しくてたまらないでしょう?」

井上のお父さんは苦笑した。「じゃあ、ここに住み続けるつもりか?」

井上斉子は俯いて黙り、また甘やかされたお嬢様のような様子になった。